研究紹介」カテゴリーアーカイブ

 2017年6月30日に理工学研究科博士課程前期2年の池内絵里さんらによる共同研究の成果「Non-bleached colonies of massive Porites may attract fishes for selective grazing during mass bleaching events」(著者:池内 絵里(琉球大・院・理工),大野良和(現OIST,琉球大・院・理工),井口 亮(沖縄高専・生物資源),中村 崇(琉球大・理・JST/JICA SATREPS))が国際誌のPeerJに掲載されました。

 本研究は、2016年夏季に沖縄県内の石西礁湖で起こった大規模サンゴ白化現象時の調査結果をまとめたもので、塊状ハマサンゴ群体の中でも、魚類が白化していない群体をより選択的に齧り取っていることを初めて示しました。一般的に高温ストレスに強く白化しにくいとされる塊状ハマサンゴ類における白化データも含まれた貴重な研究成果です。

 論文(英語)は右のリンクから無料で閲覧いただけます。https://peerj.com/articles/3470/

 

写真1:石西礁湖での大規模なサンゴの白化現象

 


写真2:白化したハマサンゴ

このたび、大学院博士前期課程・海洋自然科学専攻(生物系)の宇田川伸吾さん(M1)、櫛田優花さん(M1)、マレーシア出身の研究生・黄田武(Wee Hin Boo)さんの3名が、平成29年度笹川科学研究助成を獲得しました。更に櫛田さんは、公益財団法人水産無脊椎動物研究所2017年度個別研究助成金も併せて獲得しました。いずれの研究助成も、独創性のある研究を奨励・支援するものです。

 

平成29年度笹川科学研究助成
宇田川伸吾(竹村明洋 研究室)
採択課題名:魚類の活動周期に影響を与える水圧情報伝達の脳内神経ネットワークの解明

櫛田優花(James D. Reimer 研究室)
採択課題名:浅海性ウミエラ類の多様性および系統学

黄田武(James D. Reimer 研究室)
採択課題名:イワスナギンチャクの体内における褐虫藻の多様性と微環境に関する研究

 

公益財団法人水産無脊椎動物研究所 2017年度個別研究助成金
櫛田優花(James D. Reimer 研究室)
採択課題名:ウミエラ類の多様性および系統

 

 

ウミエラ(櫛田さんの研究材料)

2016年12月1日-4日に沖縄タイムスビルにて開催された第19回日本サンゴ礁学会にて、理工学研究科博士前期課程1年の池内 絵里さんらによる「魚類食痕による塊状ハマサンゴの状態評価」(発表者:池内 絵里 (琉球大・院・理工),井口 亮 (沖縄高専・生物資源),中村 崇 (琉球大・理,JST/JICA SATREPS))が最優秀ポスター賞に選定されました。

本研究では、塊状ハマサンゴ群体において,魚類によるかじり痕密度に群体差ができる要因について,群体の白化のしやすさと関連付けて調査することで,魚類が高温ストレスに強い塊状ハマサンゴを選択的に齧り取っている可能性が初めて示唆されました.

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アメリカの大学をはじめ世界中で広く使用されている著名な教科書 Developmental Biology (10th Edition, 2014) (翻訳版『ギルバート発生生物学』) および Ecological Developmental Biology (2nd Edition, 2015)(翻訳版『生態進化発生学』)に大瀧研究室の二つの論文(下記参照)が引用されました。環境によるチョウの翅の色模様変化が遺伝的に同化されうることを示した本学での研究が、自然環境における遺伝的同化の決定的な例として紹介されています。

Hiyama A, Taira W, Otaki JM (2012) Color-pattern evolution in response to environmental stress in butterflies. Frontiers in Genetics 3: 15.

Otaki JM, Hiyama A, Iwata M, Kudo T (2010) Phenotypic plasticity in the range-margin population of the lycaenid butterfly Zizeeria maha. BMC Evolutionary Biology 10: 252.

沖縄県の県魚「グルクン」(タカサゴ)が,その近縁種と雑種を形成することを明らかにした賀数大吾さん(理工学研究科M2,生物系・今井秀行研究室)らの研究成果が,琉球新報で紹介されました。

詳しくは,下の記事(琉球新報社より許可を得て掲載)を御覧ください。

平成28年2月13日朝刊 5面(琉球新報社提供)

生物系4年次の川端潮音さんの卒業研究テーマの対象となっている、サンゴを専食することで知られるシロレイシガイダマシ属 Drupella spp. について、RBCで放送されている沖縄のサンゴの保全に関するテレビ番組「南の島のミスワリン」の取材がありました。取材では、ミスワリン(石川梢さん)からの質問に対して、川端さんが卒業研究で行ってきた調査の紹介、石西礁湖や沖縄島周辺での分布の特徴やこれまでの被害状況、詳しい生態などについて、対談形式で紹介しました。地上波放送は2月27日(土)ですが、オンエアーを見逃した際は、後日番組HPにてアップされるそうですので、そちらをご覧下さい。

ミスワリン(石川梢さん)と川端潮音さん(生物系4年次)の対談の様子

文部科学省 科学技術・学術政策研究所(NISTEP)が選出する「ナイスステップな研究者 2015」に,生物系・栗原晴子助教が選定されました。

詳しくは,以下の資料を御覧ください。
琉球大学公式ウェブサイト 掲載記事
琉球大学公式ウェブサイト内 プレス発表資料(PDF)
科学技術・学術政策研究所ウェブサイト内 報道発表資料(PDF)

生物系・James Davis Reimer 准教授が平成27年度沖縄研究奨励賞を受賞しました。

詳しくは,こちらのページ(琉球大学公式ウェブサイト内)を御覧ください。

生物系・伊澤雅子教授のイリオモテヤマネコ保護活動に対して,イリオモテヤマネコ発見五十年記念事業実行委員会から感謝状が授与されました。

詳しくは,こちらのページ(琉球大学公式ウェブサイト内)を御覧ください。

現在,パラオの国際サンゴ礁センター(PICRC)と共同で生物系・栗原晴子研究室が実施している
マラカル湾(下水の排出がされている湾)での水質ならびにサンゴ/オニヒトデの調査に関して,
パラオの現地紙 Island Times に記事が掲載されました。

Island Times, 2015/9/29
許可を得て掲載

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